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試行錯誤の備忘録β版

システムアーキテクト試験 午後Ⅱ 論述式試験(論文)をマジメに対策した

2019年10月20日(日)に行われた、令和元年度 システムアーキテクト試験を受けてきました。 

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この試験の最大の関門は、午後Ⅱの論述式試験(通称:論文)です。情報処理技術者試験の高度試験のうち、下記の試験区分は論述式試験(論文)があります。

 

 

これが大変な試験です。上記以外の高度試験(スペシャリスト系)を全て取得した私でも、ここ3回連続で落ちています(2017年度, 2018年度システムアーキテクト試験、2019年度プロジェクトマネージャ試験)。不合格が重なる毎に深く落ち込みますし、論述式試験に対する苦手意識が芽生えつつありました。

この状況を打破すべく、前回のシステムアーキテクト試験のために午後Ⅱの対策をマジメにやりました。結果はまだ出ていませんが、試験終了後は今までにない手応えを感じました。

 

この記事では、私が前回のシステムアーキテクト試験に向けて行った午後Ⅱ 論述式試験(論文)の対策を記します。

 

 目 次

 

 

1.午後Ⅱ 論述式試験(論文)とは?

午後Ⅱの論述式試験(論文)がどのような試験なのか確認してみましょう。以下はシステムアーキテクト試験の例です。

 

  • 試験時間は120分
  • 問1~問3の中から1問選択し論述する。
    (問1,2は情報システム、問3は組込みシステム)
  • 各問は3つの設問ア、イ、ウで構成されている
  • 各設問毎に字数の指定がある。設問アは800字以内、設問イは800字以上1,600字以下、設問ウは600字以上1,200字以下で記入する。
  • 設問回答とは別に、論述対象に関する質問項目に回答する。論述対象の名称・工数・費用・開発期間を記入したり、選択肢の中で該当するものを◯で囲む。

 

この中で特筆すべきなのは、やはり字数制限でしょう。120分の制限時間内におよそ2,500字の記入をしなければなりません。(目安は設問ア:700字、設問イ:1,000字、設問ウ:800字+質問項目)。これが中々辛いです。腕も痛くなりますし、考えながら書いていると普通に時間が足りません。

なお、IPAの公表している評価の観点は下記のとおりです。要は設問の要求を満たし、採点者が理解しやすいように具体的に記述できていれば合格ラインではないかと思います。

情報処理技術者試験 試験要項 Ver4.3 より
注 1) 午後Ⅱ(論述式)試験の評価方法について
・設問で要求した項目の充足度,論述の具体性,内容の妥当性,論理の一貫性,見識に基づく主張,洞察力・行動力,独創性・先見性,表現力・文章作成能力などを評価の視点として,論述の内容を評価する。また,問題冊子で示す “解答に当たっての指示”に従わない場合は,論述の内容にかかわらず,その程度によって評価を下げることがある。

www.jitec.ipa.go.jp

 

2.なぜ参考書の対策のハードルが高いのか?

午後Ⅱの論文対策をするにあたり、ほとんどの人が参考書やWeb記事にある対策をしたり、サンプル論文を読んだりするかと思います。

以前までの私も、参考書を読み、書いてある内容を実行してみる、という対策や、ネットの情報から論述の題材を抽出し、まとめるということも行いました。しかし、問題文を読んでも書くことが思い浮かばず、ペンが進まないという状況になることが多々ありました。結果として、これらの対策は成果が出ませんでした

上記の方法で成果がある人はいいのですが、私のようにそれでも書けなかったり、どうやって書けばいいかわからないという人もいるかと思います。

 

なぜ、参考書やWeb記事にある対策のハードルが高いのでしょうか。それは、参考書やWeb記事の対策が論述文作成のスキル・経験のある人に向けて書かれているためです。

そもそも、書籍やWeb記事を書いている人は文章力が高い人です。その人の紹介する対策やノウハウは、文章作成のスキルや経験のない人に適用できなくても不思議ではありません。それどころか、これらの対策のハードルが高いと感じた人は、午後Ⅱの論述式試験に苦手意識を持つ可能性もあります。

 

では、どうすればよいか。
私が取った方法は、『文章の書き方を学ぶ』でした。

 

3.なぜ午後Ⅱの論文が書けないのか?どうすればいいのか?

私が論文が書けなかった原因は、以下の2つでした。

  • 文章の書き方を知らない
  • 書くネタがない

これから、それぞれの原因への対策を記します。

 

3.1 文章の書き方を学ぶ

文章の書き方を体系的に理解していない人、他人に説明できない人は小論文やレポートの書き方を学ぶことをおすすめします。

 

文章の書き方を体系的に学習した人は意外と少ないのではないでしょうか。

私自身、作文をはじめとする文書作成が苦手でした。文章を書くとなると毎回途方に暮れていました。何とか書き始めるものの、完成した文章は低品質でした。作文に苦手意識があるため、自分から文章を書くことはほとんどなく、ブログやSNSを始めても3日坊主で終わっていました。

文書作成が苦手な理由を改めて考え思い当たったのが、文書の書き方を体系的に学んだことがないということでした。今思えば、これまでの私は、文章の型を知らず、プロットが甘い状態で、行き当たりばったりで文章を作成していました。ソフトウェア開発に例えると、設計せずにいきなりプログラミングするようなものです。これでは品質がよいわけがありません。

実際に学習してみると、午後Ⅱの論文がかけそうな気がしてくるはずです。また、文章作成がソフトウェア設計と似ていることがわかります。論述の構造や段落の構成、文の構成の方法が理解でき、記述の膨らまし方がわかると、2,500字なんて余裕で書けます。(2時間で書けるかどうかは別として)

 

 

具体的な方法は以下の記事に記載しています。
litmot.hatenablog.com

 

3.2 ネタを集める

文章の書き方を体系的に理解したあなたは、論文を書くことに対する心理的ハードルが下がっているはずです。

それでも書けないあなたは、書けるようなネタ、または知識を持ってない可能性があります。参考書などで勉強しましょう。

 

私が使用した書籍、サイトを紹介します。三好隆宏先生(みよちゃん)の著書がおすすめです。具体的な方法は後日紹介します。

 

システムアーキテクト 午後2 最速の論述対策 (情報処理技術者高度試験速習シリーズ)

ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本 第5版

ITエンジニアのための【業務知識】がわかる本 第5版

 
演習で身につく要件定義の実践テクニック

演習で身につく要件定義の実践テクニック

 

 

サイトはいっぱいあるので、各自で探してみてください。

www.seplus.jp

 

あとは、IPAのサイトから過去問をダウンロードし、午後Ⅰや午後Ⅱの文章を確認してみるのもおすすめです。国家試験だけあって、文章の品質が高く参考になります。

 

4.まとめ

以上が、私が午後Ⅱの論述式試験のために行った対策の内容です。

 

重要なことは、自分がどの段階でつまずいているのか自分なりに把握することです。

そのためには、一度過去問をやってみてください。やってみて、足りないと感じたものを補う。ある程度補えたと感じたら、もう一度過去問をやってみる。それを繰り返していけば、かならず書けるようになるはずです。

 

もしあなたが文章力でつまずいていた場合はラッキーです。なぜなら、文章の書き方を知らないことで今まで損をしていた可能性が高いからです。情報処理技術者試験の高度試験を受けようとしている時点で、あなたの学習意欲や能力は高いはず。そんな人が文章力を身につけたら、資格習得だけではなく仕事や趣味でも、もっともっと活躍できるに違いありません。文章力というスキルはそれほど汎用性があります。そこに気付けたあなたはラッキーです。

 

これを読んでくれた人が、論述式試験を得意になってくれたら幸いです。

 

ここまで書いたはいいものの、まだ合格発表前です。不合格だった場合は……とっても恥ずかしい!